藍峯舎

藍峯舎は妖しくも煌びやかな「奇譚」の数々を美装の限定本でお届けします。

ご挨拶

 藍峯舎(らんぽうしゃ)は2012年6月にスタートした小さな出版社です。
 電子書籍へと向かう時代の流れにあえて抗して、藍峯舎の出版物は用紙の選定から印刷、装幀、造本まで、時間と手間をかけて磨き上げた「紙の本」ならではの美しさを追い求めて参ります。少部数の限定本となるため、一般の書店を通じての販売が難しく、お求めは小社のホームページ及び一部のネット古書店からとなります。ご面倒をおかけしてまことに申し訳ございませんが、量産本の氾濫のなかで忘れられつつある「美しい本」の手触りをお楽しみいただければ幸いです。

2016/12/10
『奇譚』の書影を追加しました。
2016/11/22
『奇譚』の予約を開始しました。
2016/11/14
藍峯舎通信Vol.10を更新しました。
2015/6/10
『鬼火 オリジナル完全版』江戸川亂步自選短編集『幻想と怪奇』を追加しました。
2013/1/26
「読売新聞」夕刊で「赤き死の假面」が紹介されました。

 前回の通信からすっかり間が空いてしまい何とも面目ない限りですが、まずは「奇譚」の進行状況のご報告から。
 今回は原本の全頁の画像を収録したCD-ROM版の編集を先行させたため、すでにこちらは完成済みとなっておりますが、肝心の本体である書籍版の編集作業に予想外の時間を要しています。というのも...

続きを読む>>

藍峯舎第六弾! 2016年12月21日発売  江戸川亂步自『奇譚』 復刻・校訂中相作 

  • 表紙オリジナル図案 by 江戸川亂步

「大亂步」のすべての源泉がここにある!――21歳の大学生亂步が、ポー、ドイル、ルブランから押川春浪、黒岩涙香まで、偏愛する作家とその作品を論じ、自らの思い描く理想の探偵小説への熱い思いを綴った自筆の手製本「奇譚」を藍峯舎が初めて単行本化。乱歩研究家中相作による翻刻と校訂を得て、「大亂步」誕生の秘密を解き明かす伝説の「稀書」の全貌が、100年の時を超えついに公開される!原本の全頁の高精細デジタル画像を収録したCD-ROM付の完全版。

 江戸川亂步が世に送り出した最初の「著書」といえるのは、早稲田大学在学中の満21歳だった大正5年(1916)、自らペンを握って少年時代から偏愛してきた作家とその作品について積年の想いを洋罫紙に綴り、表紙の図案から目次のレイアウト、カットの絵まで手掛けた全240頁の手製本「奇譚」です。ポーを始祖とする探偵小説への熱い思いが吐露されたこの本を、亂步は作家としてデビューする以前の雌伏時代、弟たちと経営していた古書店の店頭に商品として並べたこともありましたが、残念ながら買い手はつきませんでした。そんな「奇譚」を、亂步は専業作家となった後も手元に大事に保存して、いつか出版の機会が到来するのを待っていたようです。

 しかし亂步の生前、ついに「奇譚」は陽の目を見ることがなく、昭和63年(1988)の講談社の文庫版全集において、ようやくその写真版による複写が公開されました。とはいえ、この文庫版全集は判型が小さいことに加え、当時の印刷技術では写真も鮮明とは言い難く、おまけに文章が片仮名表記だったため、一般の読者にとってその内容を読み取るのは、はなはだ困難な状態でした。

 そんななかで、この亂步研究の原典ともいうべき「奇譚」の解読にあえて挑んだのが亂歩研究家中相作氏です。亂步についての画期的なリファレンスブック三部作の編集で知られる中氏が長い年月を費やしたその成果の一部は、2014年暮に刊行された氏の個人誌「伊賀一筆」で公開されましたが、今回の藍峯舎版はその後、中氏が完成させた「奇譚」全ページの翻刻を集大成し、原文の片仮名表記を読み易い平仮名に変換したうえで初めて単行本化いたしました。さらに立教大学が保存する原本の全ページを、今回の出版にあたり最新技術でデジタル化した高精細画像に、原文のままの片仮名表記による翻刻文を添えて完全収録したCD-ROM付の決定版です。

制作から100年の時を経て、ついに明らかとなる亂步の全著書中随一の「稀書」の全貌を、どうぞこの藍峯舎版でお楽しみください。


限定250部(記番入り) CD-ROM付
定価22,000円(税込)

造本仕様
A5判 本文168頁
布表紙、面取題簽貼り・三方銀・角背
貼函、CD二ツ折ケース、保護筒函

保護筒函上題簽用紙/ 風光 一色刷
貼函用紙/ 五感紙(荒目 黒)・金箔押
CDケース/ 布・ワールドカンパス(SNシャンタン)・金箔押
表紙/布・ワールドカンパス(SNシャンタン)・金箔押
題簽用紙/TS-8(N-7)四色刷・金箔押
見返用紙/五感紙(荒目 黒)一色刷
本扉用紙/五感紙(ナチュラル)二色刷
本文紙/アラベール(ナチュラル)
奥付用紙/レイド紙(ナチュラル)

付属CD-ROMの動作環境(ご注文の前にご確認ください)
・Windows Vista、Windows7、Windows8.1、Windows10、Mac OS Ⅹ 10.8以上で確認。
・上記以外のOS(LinuxやiOS、Android等)には対応しておりません。
・ご利用にはPCに接続されたCDドライブが必要です。
・ディスクから直接に起動するアプリケーションですので、インストールや追加ソフトは不要です。
・タブレットデバイスやマルチタッチ操作には対応しておりません。

ご予約

藍峯舎第五弾! 【上製本】12月29日発売 【特装本】2016年1月8日発売  江戸川亂步自選短編集『幻想と怪奇』 挿画(銅版画)坂東壯一

  • 『幻想と怪奇』特装本

  • 『幻想と怪奇』上製本

伝説のプライベートプレス「版画荘」から戦前に出版された、亂步の稀少な自選短編集を藍峯舎がリメイク。銅版画家坂東壯一が鍾愛する亂步作品に初めて挑んだ新作6点を添えて亂步没後50年の掉尾を飾る至高のオマージュ!

 江戸川亂步は戦前、2冊の限定本を出版していますが、そのひとつが昭和12年(1937)、版画荘から出された自選短編集『幻想と怪奇』です。版画荘は萩原朔太郎の『猫町』『定本青猫』など美しい版画本や詩画集の出版で知られた伝説のプライベートプレス。戦前の銀座で初めて版画専門の画廊を始めた平井博が主宰するこの出版社から短編集の出版依頼を受けた亂步は喜び、自ら収録する作品を選んだうえでタイトルも『幻想と怪奇』と決め、さらに収録作すべてにきめ細かく手を入れています。なかでも「火星の運河」は、クライマックスシーンに四段落にわたる書き足しをしており、本書でしか読めない最長バージョンとなっています。ただ、そこまで熱を込めた亂步にとっていささか予想外だったと思われるのは、出来上がった本に、版元の社名の由来である版画はおろかカットすら入っていなかったことです。版画荘はこの出版の翌年、資金のショートで活動を停止しているので、その背景には経済的な理由があったのかもしれませんが、もちろん亂步はそれについていっさい不満を述べていません。それでも自作と版画のコラボレーションについての思いは残ったようで、戦後の昭和31年(1956)に東京創元社から出版された限定豪華本『犯罪幻想』では、亂歩自らの希望により挿絵に棟方志功の木版画が使用されています。
 というわけで今回の藍峯舎版「幻想と怪奇」は、亂步が選び抜いた自作の短編ひとつに一枚ずつ版画を入れるという、版画荘のオリジナル版では果たせなかった亂歩の夢を実現しています。原本には9篇の短編が収録されていますが、今回はそこから6篇を選び、それぞれに銅版画家坂東壯一の新作が添えられます。「虚無と憂愁」を秘めた幻想的作品で知られる坂東氏が、鍾愛してきた亂步の「幻想と怪奇」の世界に初めて挑んだコラボレーションの見事な結実を、藍峯舎版でご堪能ください。


<収録作品>
押繪と旅する男
鏡地獄
人間椅子
人でなしの恋
火星の運河
解説 猟奇の果て 遊戯の終わり 中 相作

A5判変形 本文240頁 別丁挿画(銅版画)6点
限定200部(記番入り)のうち
・特装本25部(No.1~No.25) 坂東壯一オリジナル手彩色銅版画6葉<署名、番号入り>綴込
 定価120,000円(税込)

・上製本175部(No.26~No.200) 別丁挿画6点は高精細印刷(二色刷)
 定価18,000円(税込)

造本仕様
<特装本>
総革面取突付表紙、三方金、丸背、二重貼函、保護筒函
保護筒函上題簽用紙/ 波光(白)一色刷
二重貼函用紙/内・ウーペケーネス(プラム)
       外・ロイヤルセーム(No.960.78 )
総革表紙/濃紺染山羊革、文字・本金箔押
見返用紙/シープスキン(古色)二色刷
本扉用紙/新フェルトン(クリーム)二色刷
銅版画用紙/ハーネミューレ(クリーム)
本文紙/アラベール(ナチュラル)
奥付用紙/レイド紙(ナチュラル)

<上製本>
背継面取表紙・天金箔、丸背、二重貼函、保護筒函
保護筒函上題簽用紙/波光(白)一色刷
二重貼函用紙/内・ビオトープGA-FS(ベリーレッド)
       外・プライク(ブラック)
背継表紙/背・黒色染牛革
     表裏布・アイリッシュリネン(No.200-BLACK)
     文字・本金箔押
見返用紙/シープスキン(古色)
本扉用紙/ニューこもん(白)二色刷
挿画用紙/ヴァンヌーボF-FS(ナチュラル)二色刷
本文紙/アラベール(ナチュラル)
奥付用紙/レイド紙(ナチュラル)

特装本

上製本

完売御礼

藍峯舎第四弾! 完売御礼『鬼火 オリジナル完全版』横溝正史 挿画竹中英太郎

発表時の検閲禍により長らく封印されていた横溝正史の戦前期を代表する名作「鬼火」のオリジナル版を初めて単行本化。妖艶の限りを尽くした竹中英太郎の挿画全点を原画から完全復刻した豪華決定版

 横溝正史の「鬼火」は雑誌「新青年」の昭和10年(1935)2月号と3月号に、前後篇に分けて掲載されました。当時、横溝は喀血のため作家生活を中断し、信州の上諏訪に転地して療養中。体調を気遣いつつ「一日に三、四枚」というペースで、横溝は再起を期したこの原稿に心血を注ぎ、鬼気迫る怨念の物語160枚を書き上げました。

 ところが2月号に掲載された前篇の「愛欲シーン」が当局の検閲に引っかかり、10頁ほどが削除処分となる不運に見舞われてしまったのです。衝撃を受け落胆した横溝はその後、単行本化にあたってやむなく削除部分を中心に書き直すこととなり、この改訂版の「鬼火」が以来、長らく流布してきました。ところが昭和44年(1969)、桃源社から「鬼火」が再刊される際、たまたま削除を免れた「新青年」の当該号を所持していた作家の中井英夫からの資料提供により、改訂版の末尾に問題となった削除部分が付記される形で、初めて一般の読者の目に触れることになりました。

 さらにその後の刊本では、改訂版の本文に編者が削除部分をはめ込んだ折衷版が登場して主流となっていますが、今回の藍峯舎版の「鬼火」は、本来この形で読者の目に触れることを作者が企図していたにもかかわらず、検閲禍で幻とされてしまった「新青年」掲載のテキストの初の単行本化です。表記も発表時のままの旧字旧かなといたしました。

 また「新青年」で本文に添えられた竹中英太郎の最高傑作といわれる挿画全点を、従来の刊本とは異なり、現存する原画から完全復刻いたしました。さらに「鬼火」前篇掲載号の「新青年」に同時に発表され、中井英夫から「探偵小説の真の魅力をのこらず説いた、色暗い宝石のような輝きを持つ」と評された横溝の探偵随筆の名品「槿槿先生夢物語」も併せて収録いたしました。数多い横溝作品の中でも最も数奇なドラマを背景に秘めたこの名作を、竹中英太郎の妖艶な挿画とともにどうぞお楽しみください。


<内容目次>
鬼火 オリジナル完全版  挿画 竹中英太郎
探偵随筆 槿槿先生夢物語
解説 「鬼火」因縁話 中 相作

250部限定(記番入り) 定価15,000円(税込)

造本仕様
A5判変型 本文152頁 別丁二色刷 挿画8点
背継面取表紙・金箔天金 丸背 貼函
貼函用紙/ビオトープGA-FS(ベリーレッド) 箔押
背継表紙/背・黒色染牛革
表裏布・ワールドクロス特製コート紬(濃赤)
文字・本金箔押
見返用紙/ビオトープGA-FS(ボルトブラック)一色刷
本扉用紙/ヴァンヌーボF-FS(ナチュラル)表裏二色刷
挿画用紙/ヴァンヌーボF-FS(ナチュラル)表裏二色刷
本文紙/アラベール(ナチュラル)一色刷
奥付用紙/レイド紙(ナチュラル)一色刷、藍峯舎朱印押

完売御礼

藍峯舎刊行第三弾 完売御礼『完本 黒蜥蜴』

江戸川亂步が残した唯一の「女賊物」の傑作長編『黒蜥蜴』と、三島由紀夫が亂步に捧げた美しきオマージュ『戯曲 黒蜥蜴』を初めてカップリング。多賀新のオリジナル銅版画一葉を添えて、亂步生誕120年に贈る豪華愛蔵版。

 江戸川亂步の数ある長篇小説の中でも、昭和9年(1934)、新潮社の大衆雑誌「日の出」に連載された「黒蜥蜴」は、妖艶な「女賊」を主人公に据えた亂步の「唯一の女賊物」です。社交界の花形にして暗黒街の女王でもある女賊「黒蜥蜴」と名探偵明智小五郎が、日本一のダイヤ「エヂプトの星」をめぐってくりひろげるこの「おそろしくトリッキーでアクロバティックな冒険物語」(亂步)に花を添えているのが、宿敵同士である女賊と名探偵とのほのかな恋――。他の長篇とは一味違ったこの「ロマンティックな」設定に深く魅了されたのが少年時代の三島由紀夫でした。「少年倶楽部」の二十面相シリーズから、亂步の小説を愛読してきた三島ですが、この「黒蜥蜴」には「強烈な印象を与えられ」(三島)、以来特別な愛着の対象となったようです。そんな思いが三十年近くの時間を経て結実したのが、「江戸川亂步原作に據る」と謳われた三幕の「戯曲 黒蜥蜴」(1961)。亂步の原作の魅力を最大限に生かしつつ、三島美学の粋を極めた華麗な修辞や警句を散りばめて、大胆に三島流に仕立て直したこの戯曲は、「なるほど、こうすれば奇抜な面白い劇になるな」と亂步を唸らせ、翌年の初演以来、今日まで人気演目として絶えることなく上演されているのはご承知の通りです。

 今回の藍峯舎版の「完本 黒蜥蜴」は、亂步の原作と、三島が三十年来の想いをこめて亂步に捧げた「戯曲 黒蜥蜴」を初めて一冊にカップリングいたしました。亂步のテキストは新保博久氏の校訂により、初出の「日の出」掲載分から単行本化の際に削除された部分を復元し、さらに連載の切り抜きに亂步の自筆で加えられた書き込みもすべて反映した初の「完全無削除版」です。口絵には春陽堂文庫の亂步シリーズの表紙でお馴染みの版画家多賀新氏が、初めて亂步の作品に即して制作したオリジナル銅版画一葉(署名、番号入り)を添えました。亂步の生誕120年に贈る、亂步と三島の贅沢な「初競演」をどうぞこの藍峯舎版でお楽しみください。

  • 撮影・藤沢秀


<内容目次>
江戸川亂步「黒蜥蜴」(1934) 初の無削除完全版 本文校訂・解説 新保博久
三島由紀夫「戯曲 黒蜥蜴」(1961) 解説 中 相作「乱歩と三島 女賊への恋」
口絵 多賀 新 オリジナル銅版画「黒蜥蜴」(2014) 署名・番号入り
220部限定(記番入り) 定価19,000円(税込) 5月15日(木)発売

造本仕様
A5判変型 本文396頁
背継面取表紙・金箔天金 丸背 貼函
函上題簽用紙/新局紙(白)二色刷
貼函用紙/五感紙 荒目(黒)
背継表紙/背・黒色染牛革
     表裏布・ワールドクロス・バックスキン(濃紫)
     文字・本金箔押
見返用紙/シープスキン(古色)一色刷
本扉用紙/ビオトープ(コットンホワイト)二色刷
口絵・版画用紙/特注手漉和紙 銅版画(エッチング/アクアチント)一色刷
本文紙/サンフォーレ(ナチュラル)一色刷
奥付用紙/レイド紙(ナチュラル)一色刷、藍峯舎朱印押

完売御礼

藍峯舎刊行第二弾 8月1日刊行!『屋根裏の散步者』

巨人亂步と池田満寿夫の、ただ一度のコラボレーション!「幻の豆本」が新編集で、今、甦る!

 昭和34年(1959)、江戸川亂步の実弟平井通の主宰する「真珠社」から豆本シリーズの第一弾として200部限定で出版された『屋根裏の散步者』は、装幀と挿画を世界的な作家に飛躍する直前の、雌伏時代の池田満寿夫が担当したことで、数ある亂步の著書の中でも一、二を争う稀覯本となっています。
 今回の藍峯舎の新装本は、真珠社版を豆本の形で再現したものではありません。豆本のサイズでは亂步の本文がはなはだ読み難いため判型を拡大し、池田満寿夫の挿画と亂步の文章とのマッチングの妙味を存分に楽しんでいただけるようにいたしました。
 また池田のオリジナル版画全10点の独得の色使いや質感、ニュアンスを細部まで再現するために、最新技術による高精細印刷(FMスクリーン印刷)を採用し、半世紀以上も前の原画を瑞々しく甦らせております。
 亂步の本文についても、原書とは異なり、初出である雑誌「新青年」大正14年(1925)8月増刊号掲載のテキストを使用いたしました。死の床にある父親の療養先の山中の小屋で、締切りに追われながら古畳に腹這いになって原稿用紙に筆を走らせたという亂步の執筆時の熱気と高揚と焦燥がそのまま伝わってくるような、発表時のままの旧字旧かな表記でお届けいたします。流布本では「郷田三郎」となっている主人公の名前がここでは「郷田三良」となっていることにもご注目ください。
 その主人公のデカダン青年がまるで憑依でもしたかのような、若き池田満寿夫の鬱屈と憤懣が紡ぎ出す奇怪なイメージの数々が、亂步の名作をひときわ妖しく輝かせたこの奇蹟のコラボレーションの結実を、藍峯舎版でご確認いただければ幸いです。
 さらに本書には附録として池田満寿夫による回顧エッセイ「豆本因縁噺」と、亂步研究の第一人者である中相作氏の書下ろし評伝「真珠社主人 平井通」が収録されます。中氏の評伝は、「偉大なる兄」亂步の「陰画」のような運命を辿った平井通の人生に新たな光を当てた画期的な力作です。どうぞご一読ください。


江戸川亂步 著
池田満寿夫 挿畫

350部限定(記番入り) 
定価14,000円(税込)

造本仕様
A5判変型 本文176頁(二色刷80頁、一色刷96頁) 別丁四色刷 挿画10点
背継面取表紙・金箔天金 丸背 貼函
函上題簽用紙/新局紙(白)二色刷
貼函用紙/五感紙 荒目(黒)
背継表紙/背・生成り牛革
     表裏布・アサヒバックサテン(黒)
     文字・本金箔押
見返用紙/シープスキン(古色)一色刷
本扉用紙/OKミューズガリバー エクストラ(ホワイトS)二色刷
口絵用紙/OKミューズガリバー エクストラ(ホワイトS)四色刷
本文紙一/サンフォーレ(ナチュラル)二色刷
本文紙二/アラベール(アッシュグレー)一色刷
奥付用紙/ソフトバルキー スメ入り(アイボリー)一色刷、藍峯舎朱印押

ご注文

残部僅少
ご注文はお早めにお願いいたします

藍峯舎第一弾!完売御礼

『赤き死の假面』

「夜の宝石のやうに怪しくもきらびやかなりし」とポーの天才を称えた亂步が、自ら筆を執った唯一の翻訳、初の書籍化!白眉の評論「探偵作家としてのE・A・ポー」をはじめ、亂步がポーを論じた全12篇の「ポー論集成」を合わせて収録した豪華愛蔵版。

 エドガー・アラン・ポーと江戸川亂步の深い縁は、亂步が大学在学中からポーを原書で愛読し、作家デビューに当たってその筆名を借りたことからも周知の通りですが、意外にも亂步がポーの作品を自ら翻訳したのはこの「赤き死の假面」一篇しかありません。
 昭和4年(1929)、改造社から出版された『世界大衆文学全集』の『ポー、ホフマン集』では、ポーの作品15篇が江戸川亂步訳として収録されていますが、後に亂步自身が自伝の中で渡辺温による代訳であったことを明らかにしています。
 本書に初収録された亂步訳の「赤き死の假面」は、探偵小説雑誌『宝石』(岩谷書店)の昭和24年(1949)11月号に発表されました。この号ではポーの没後100年祭記念として「ポオ怪奇探偵小説傑作選」の特集が組まれ、8篇の短篇を掲載。大半が旧訳の再録だったにもかかわらず、そのトップを飾ったのが亂步訳し下ろしの「赤き死」だったのです。
 自らの文学的ルーツであるポーの諸作のなかでもとりわけ亂步の愛着の深い作品とされる「赤き死」だけに、その翻訳は熱のこもったまさに入魂の一作となっています。訳語を選び抜き、視覚的効果まで計算し尽した亂步ならではの文字遣いや周到な訳註もあって、このポーの名作のこれまで誰も覗けなかった異様な深層にまで肉薄しています。
 そんな亂步の文字遣いまで凝りに凝った翻訳の妙をご賞味いただくため、本書の収録では発表時のままの「正字正仮名」の表記を採用いたしました。
 同時に収録いたしました亂步の「ポー論集成」は、白眉の評論「探偵作家としてのE・A・ポー」をはじめ、これまで評論集や全集の各巻に散り散りに収められていた亂步のポー論全12篇を初めて集大成したものです(表記は新字新仮名)。
 口繪にはフランスの象徴主義を代表する画家オディロン・ルドン(1840-1916)がポーの原作に触発されて描いた不気味な傑作「赤き死の假面」(1883)を使用しております。
 ポーと亂步の時空を超えた交感をどうぞお楽しみください。


「ポー論集成」収録作
探偵作家としてのE・A・ポー(初出バージョン)
ディケンズの先鞭
ポーとディケンズ
エドガー・ポーの生と死
文学史上のラジウム
ポオと通俗的興味
病める貝
ポーとオリジナリティー
ポーの百年忌に
ポーとドイル
アモン酒の樽
わたしの古典

解説 中 相作「ポーと乱歩 奇譚の水脈」


エドガー・アラン・ポー 著
江戸川亂步 譯
オディロン・ルドン 口繪

350部限定(記番入り)
定価10,000円(税込)

造本仕様
A5判変型、本文122頁、背継面取表紙・金箔天金、丸背、貼函
函上題簽用紙/新局紙(白)二色刷
貼函用紙/五感紙 荒目(黒)
背継表紙/背・緋色染牛革
     表裏布・アサヒバックサテン(黒)
     文字・本金箔押
見返用紙/シープスキン(古色)
本扉用紙/ソフトバルキー(スメ入りアイボリー)二色刷
口絵用紙/Mr・B(オフホワイト)
本文紙/サンフォーレ(ナチュラル)

完売御礼